【連載】腰痛持ちの人には”アーチ”が大事?筋肉のバランスについて

以前、こんな記事が出たのを覚えているでしょうか?「腹筋運動」は腰痛の原因 バスケ協会「推奨できない」
https://www.asahi.com/sp/articles/ASKDD0C4SKDCUTQP03H.html

腰痛の原因の一つに、腹筋の筋力不足、そして改善、予防法に腹筋の強化という指摘をされた事もあるかと思います。さて、今回は引用した記事を使いながら、腹筋と腰の関係を解説していきたいと思います。

前回の記事>>【連載】重量のおかげで若くいられる?!老化と深い関係を解説!

 

ヒトの2本足歩行は特殊かつ不安定な状況

私たちは当たり前のように、自分の2本の足を使って歩いています。ですが、自然界からしたら、それが特殊な事は理解できるかと思います。4本足で歩く動物と、2本足で歩くヒトとでは、背骨の働きは違っています。 

4足動物の例

背骨は丸くなっていて、これは橋の構造と同じような状態のため、強度も強く安定する。

橋のアーチ構造は強度が強い事で有名ですね。

一方、2足歩行のヒトでは、重力に対抗するために、S字状になっています。

このため、橋のアーチ構造と比べて、そもそも脆弱な構造となっているのがヒトの特徴です。

 

なぜ、腰痛に腹筋?

よく言われるのが、筋肉のバランスです。これは腹筋と背筋の筋力の違いという言い方も出来ます。何故、この筋肉の対比がされるのかは、その働きを見てみるとわかります。

 

【腹筋】:身体をおじぎするように丸める(=体幹の屈曲)

【背筋】:身体を反らせる(=体幹の伸展)

2つの筋肉の働きは正反対となっています。

一般的に「良い」姿勢=身体のどこかに負担の来ないような姿勢(ここで取り上げている腰)をするためには、正反対の働きをする筋肉の筋力差が問題となります。

 

つまり…

腹筋 5:背筋 5

だと、どちらにも偏る事なく、良いとされる姿勢が取れるのに対し、どちらかが弱い(=もう一方は強い)と、その姿勢は崩れてしまいます。筋肉が痛いと感じる時、多くの場合はその筋肉が過緊張(=硬くなっている状態、いわゆるコリ)を起こしています。

ここで筋力差が問題となります。

腹筋 2〜3:背筋:7〜8

腰痛を患っている人は、腹筋の筋力不足、もしくは背筋が強すぎるために、背筋が過緊張を起こし、それが原因で痛みが出ている、だから、腹筋の強化が必要。腰痛に腹筋はこんな理由があったのです。

 

椎間板ヘルニアとは?

まず、基本知識として、椎間板とヘルニアを抑えておきましょう。椎間板は、背骨と背骨の間に存在して、衝撃に対するクッション材の役割をしてくれています。椎間板はコラーゲン繊維が主となって出来ている「繊維輪」と、柔らかいゲル状の「髄核」から構成されます。

次にヘルニアです。

ヘルニアは元々「飛び出る」という意味を持つ言葉で、身体の構造物が通常の場所から逸脱してしまった時に、このヘルニアという言葉を使い病名とします。

首の椎間板で起これば「頚椎椎間板ヘルニア」

腰の椎間板で起これば「腰椎椎間板ヘルニア」

また、コマネチのラインである鼠径部で起こる「鼠径ヘルニア」なんて病名も存在します。

 

椎間板ヘルニアに話を進めましょう。ここで特に取り上げているのは「腰椎椎間板ヘルニア」です。5つある腰椎の間に存在する椎間板から、髄核が後方に飛び出してしまい、神経の圧迫を起こすことで腰痛や下肢のしびれなどの症状を引き起こします。

主に若い年代に発生するのも特徴的です。

 

身体の動きや姿勢と椎間板の負担

身体の取る姿勢によって、椎間板にかかる負担は違ってきます。

通常の立ち姿勢=立位を基準の100とした時

  • 立位で前傾⇒150%
  • 座位⇒140%
  • 座位で前傾⇒185%
  • 背臥位⇒25%

ここでのポイントは座位の負担が意外と高いところです。座りっぱなしの姿勢が多い職業に腰痛が多いのも、ここに理由があります。

 

椎間板ヘルニアと腹筋の関係は?

椎間板ヘルニアは先ほど上げた通り、椎間板から髄核が後方に飛び出してしまう状態です。

イラスト右、オレンジの2つめがヘルニアを表しています。

椎間板の中にある髄核は、クッションの役割を果たすため、姿勢によって椎間板内を動く性質を持っています。

前傾姿勢においては、髄核が後方へ移動するため、椎間板ヘルニアの状態で、体幹の屈曲動作を伴うような腹筋運動は、椎間板ヘルニアを悪化させる原因となります。

このため、椎間板ヘルニアでは、腹筋運動は避けるべき運動となります。

 

推奨されている腹筋運動

背骨や椎間板に負担をかけない腹筋運動として「カールアップ」が推奨されています。

 

仰向けに寝た状態から

頭部を持ち上げ、腹筋を下に押し付けるようにします。

腰と床の隙間を埋めるようにというイメージの方がやりやすいかもしれません。

また、よく「体幹トレーニング」と言われているプランクも背骨への負担は軽い分類だと思います。

(一応、イラストだけ載せておきますね。)

今回は以上になります。

ヘルニアと腹筋の関係性いかがでしたでしょうか?

もし実行してる方がいたら、要注意ですよ!

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木村佑介

木村 佑介(きむら ゆうすけ) H1.8.16 学歴 都立井草高校 →立教大学法学部 →東京衛生学園専門学校 東洋医療総合学科(主席) 資格 あん摩マッサージ指圧師 はり師 きゅう師 スポーツ歴 中学〜陸上競技 高校時代:3年次、200m、400mにて関東大会出場 大学時代:4年次、関東インカレ(2部)4×400mリレー優勝 「現在の職業についた理由」 高校時代まで、怪我とはまったくの無縁で、記録も順調に伸び続けました。大学1年次も夏頃までは好調をキープ。追い風参考記録になったものの、初の100mで10秒台となる10”91をマーク。が、1年次後半に肉離れを起こして以来、ほぼ毎年怪我をしている状態になる。3年生になる頃に、先輩に紹介してもらった先生に出会い、復活し、4年次には最大の目標であった関東インカレ優勝を果たした。この先生に出会って、自分も治療家になりたいと思い、法曹志望の道を一転させて、治療家の道に。現在は、都内マッサージ院にて勤務の傍ら、師匠の元に通い、修業中。