前回の投稿では身体の上部にスポットを当てて、セルフケアのポイントになる所を挙げてみました。
前回は上部でしたが、今回は身体の下部、【下部交差性症候群】について取り上げていきたいと思います。
ちなみに今回の投稿で関係してくるのは、日本人の3人に1人が悩んでいるとも言われている【腰痛】です。
前回の記事>>【連載】マッサージ師直伝!こり・頭痛のお悩みの方におすすめする実践的解消法
下部交差性症候群(かぶこうさせいしょうこうぐん)とは?
腰の骨が前方に反ったような姿勢をしている(腰椎前弯:ようついぜんわん といいます)人の筋肉を観察してみると、硬く緊張が亢進(こうしん)している筋肉と、弱く活動が低下している筋肉が対角同士に位置しているために、こういった名前がつけられています。
問題点は?
腰が反ったような姿勢になってしまう事で、背骨の関節【椎間関節】や、背骨同士のクッションの役割をしてくれている【椎間板】などの構造物に、ストレスがかかってしまうようになってしまいます。
これにより、腰椎椎間板ヘルニアや椎間関節症といった、腰周辺の痛みの原因になってしまうような症状を引き起こしてしまいます。
また、股関節の動きも悪くなってしまうために、骨盤帯の痛みなどを引き起こす可能性も否定できません。
ポイントになる筋肉は?
今回、ポイントになってくる主な筋肉を列挙してみましょう。
「緊張亢進」→硬くなっている筋肉
・脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)
・腰方形筋(ようほうけいきん)
・大腿四頭筋(だいたいしとうきん)
・腸腰筋(ちょうようきん)
「緊張低下」→筋力が落ちてしまっている筋肉
・腹直筋(ふくちょくきん)
・内、外腹斜筋(ない、がいふくきん)
・大臀筋(だいでんきん)
・中臀筋(ちゅうでんきん)
肥満の影響が大きい?
肥満の場合、お腹が出てしまうことにより、間接的に腰に負担をかけてしまいます。
腹筋群の筋力低下で、お腹の位置が支えきれず、腰が反ってしまっている人の例です。
お腹周りの脂肪が付きすぎている場合にも同じ事が言えます。
体型にも注意が必要な例ですね。
セルフケアのストレッチ法
今回は特に腸腰筋のストレッチをご紹介します。
というのも、デスクワークの多い日本人には、この腸腰筋由来の腰痛が多いと言われているからです。
座った時には、この腸腰筋を緊張、短縮させてしまい、腰の骨を引っ張る事で、腰椎に負担をかけてしまうことになるからです。
では、ストレッチ法です。
腸腰筋の位置は下の写真を参考にして下さい。
まずアキレス腱を伸ばすように、足を前後に開きます。
ここから更に前後に大きく開きます。
この時、腰を反らないことがポイントです。
慣れてきたら腕も付けてみましょう。
筋トレ法は?
スクワットや腹筋群を強化するようなトレーニングを同時に行うことで弱っている筋肉群を支えてあげる効果が期待できます。
また、同時に腸腰筋を刺激するためには【大股で歩く】や、【駅の階段を登るようにする】事を続けていく事もポイントになってきます。
第1話【 連載】マッサージ師が感じた健康作りへの近道とは!?
第2話【連載】マッサージ師が教える血流を良くするための知識と運動方法〜背骨編〜
第3話【連載】マッサージ師が教える血流を良くする生活上のコツ4つ
第4話【連載】治療の専門家マッサージ師が教える血流と痛み・炎症との関係がわかる基礎知識
第5話【連載】マッサージ師直伝!こり・頭痛のお悩みの方におすすめする実践的解消法