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【連載】運動神経は鍛えられる!効果的にトレーニングするために神経を鍛えよう!

こんにちは!
マッサージ師・針灸師の木村です。

マッサージ師・針灸師という立場から見た、健康法を連載でお伝えしています。

 

前回の記事では、【神経と痛み】がテーマでした。

前回の記事>>【連載】痛み止めや湿布を使うタイミングを考える〜可塑性(かそせい)〜

 

今回は【神経と筋肉】をテーマに、

「身体を自分の思い通りに動かすために、神経を鍛える」

という内容をお送りします。

 

 

【運動神経】とは動きの命令を筋肉へ伝える神経

運動ができる人の事を

「運動神経が良い」

などと言ったりしますが、【運動神経】とは何なのか簡単にご説明します。

 

私達が身体を動かすためには、身体を動かす役割である骨格筋(いわゆる筋肉)が働くことが必要不可欠な要素。

その骨格筋へと「収縮しなさい!」と命令を伝えるのが【運動神経】の役割です。

 

 

「神経」と「筋肉」の関係を「電車」に置き換えてイメージしてみよう

筋肉を動かすためには、運動神経によって命令を順調に伝えなくてはなりません。

イメージしやすいように、電車に置き換えてみましょう。

電車で目的地へ向かう時には、乗る駅から対象路線の電車に乗って、目的地の駅まで向かいますね。

ここを置き換えてみると、

  • 乗り込む駅:「脳」
  • 使う路線:「運動神経」
  • 乗っている電車:「命令」
  • 乗客:「電気信号」「物資のやりとり」

伝わっていく命令が筋肉に辿り着く際には「電気信号」や「物質のやりとり」が関わります。

それが、私達「乗客」という置き換えになります。

 

 

筋肉を動かす際の実際の流れ

例として、力こぶを作る時の流れを大まかに見ていきましょう。

  1. まず私たちの脳は「腕を動かそう!」と考え、必要と思われる筋肉へと命令を出し始めます。
  2. その命令が【運動神経】という線路上を電気信号として伝わっていき、肘を曲げて力こぶを作る筋肉である「上腕二頭筋」へと伝わります。
  3. その命令を受けた上腕二頭筋が「収縮」という働きを行うことで実際に力こぶを作ることができます。

 

さて、ここで取り上げた

  • 命令を伝える【運動神経】
  • 命令を実行するために伝わる【電気信号】や【物質】(ここではカットしています)
  • 命令の対象となる【筋肉】

これらをまとめて【運動単位】と呼びます。

ちなみにこの運動単位には脳そのものは含まれていません。上の例ではわかりやすくするために挙げてあります。

 

 

1本の神経が複数の筋繊維に命令:神経の働きが重要

神経によって筋肉を動かすことができるというのは、お分かりいただけたかと思います。

筋肉を動かすために必要な、

  • 命令を伝える【運動神経】
  • 命令を実行するために伝わる【電気信号】や【物質】
  • 命令を受け取る【筋肉】

をまとめてグループ化したのが【運動単位】でした。

この【運動単位】ですが、1つの神経が1本の筋肉の繊維だけに命令を伝えているわけではありません。

例えば目の動きに関係する筋肉は、1本の神経が5本程度の筋繊維に命令を伝えます。

対してふくらはぎの筋肉は、1本の神経が500本以上もの筋繊維に命令を伝えます。

このように、身体の各パーツによって大きく異なります。

 

筋肉1つを動かすにも、1つの神経だけではなく多数の神経がそれぞれの筋繊維に命令を伝えます。

この「多数の神経」のうちうまく働かない神経が多くあったら…?

命令が伝わらない筋繊維が非常に多くなり、思い通りに筋肉が動かせない、ということになります。

「神経がきちんと働く」ことの重要性が浮かびあがってきますね。

 

 

思い通りに動かせるように神経を活性化=神経を鍛えよう!

ここまで長い説明になってしまったので、一度整理しましょう。

  • 筋肉の働きは神経によって制御されていること
  • 筋肉を動かすために多数の神経が働く
  • 身体の部位(筋肉)によって、神経が命令を伝える筋繊維の数が違うこと

 

そしてここからのポイントは、【神経は鍛える必要があること】です。

運動単位(運動神経・物質・筋肉)によって動く筋肉。
この筋肉は、神経がうまく働かなかったり、働かない神経があったりすると、命令がうまく伝わらず思った通りの動きができません。

神経をうまく働かすためには、トレーニングが必要です。

トレーニングを行うことで神経を多く働かせるようになるため、思い通りに身体を動かしたり、大きな力を出すことができるようになります。

この働く量を【動員】と表現します。

 

ウエイトトレーニングのような大きな力を出す時はもちろん、複雑な身体の動きを習得する際には、この神経系の「学習」が必要不可欠な要素です。

自分自身の身体を思い通りに動かすこと=【コーディネーション能力】を鍛えることは、神経系を鍛えることに繋がります。

 

 

神経を鍛えるトレーニング方法2選

「自分自身の身体を思い通りに動かす事ができる」=「不用意な怪我や故障を防ぐ」

ということ。

そのため、私自身も神経を鍛えるためのトレーニングを取り入れています。

 

ここでは、私が実際に行っている「神経を鍛えらえるトレーニング2選」

  1. 上半身と下半身の連動を意識したトレーニング
  2. バランスを取りながらのストレッチ

をご紹介します。

 

 

【神経を鍛えるトレーニング1】上半身と下半身の連動トレーニング

右腕と左足を同時に動かします。

  1. 右腕を肩から大きく上に振り上げ、同時に左脚を後ろに蹴り上げる
  2. 後ろに蹴り上げた左脚を前にスイングさせ、右腕は左足のつま先に触るようなイメージで前に振り下ろす
  3. 5~10回ほど繰り返す
  4. 左腕と右足に変え、同様に行う

 

 

【神経を鍛えるトレーニング2】ハムストリングスの動的ストレッチ

こちらも手足を同時に動かします。

  1. 両足をそろえて立つ
  2. 上体を倒し右足でバランスをとりながら、左脚を後ろに持ち上げ、同時に両腕を床と並行になる高さくらいまで広げる
  3. 5回~10回ほど繰り返す
  4. 軸足を左脚に変えて、同じように繰り返す

 

 

神経が鍛えられてから筋肉が鍛えられる

身体を鍛えよう!と考えた時に知っておいて欲しいのは【期間】についてです。

初めの1〜2ヶ月は筋肉そのものの変化というよりは「神経系の適応」によって、新たな動きがでるようになったり、重い重量を扱う事ができるようになったりします。

この過程をこなしてから、初めて筋肉そのものの変化による結果が生まれてきます。

この時期に神経系の働きをしっかりと意識して運動する事で、無駄な力が入らなくなるために、より効率の良い動かし方へと変わっていきます。

 

 

神経を鍛えてトレーニングを効率よく行おう!

さて、少し難しい内容となりましたがいかがでしたでしょうか?

「運動神経が良い」
「運動神経が悪い」

というのを耳にしますが、筋肉を動かす「運動神経」は鍛えることができます。

神経を鍛え「動かす」という命令をうまく筋肉へ伝えることで、自分の思い通りに身体を動かすことができたり、大きな力を発揮することができるようになります。

 

そこで、私自身も行っている「神経を鍛えられるトレーニング」を2種ご紹介しました。

  1. 上半身と下半身の連動トレーニング
  2. ハムストリングの動的ストレッチ

 

「思い通りに身体を動かす」=「不用意なケガや故障を防ぐ」

ということにも繋がります。

神経をうまく理解して、自身の身体をうまくコーディネートしていきましょう。

 

マッサージ師・針灸師という立場から見た健康法の連載はこちら

第1話【連載】マッサージ師が感じた健康作りへの近道とは!?

第2話【連載】マッサージ師が教える血流を良くするための知識と運動方法〜背骨編〜

第3話【連載】マッサージ師が教える血流を良くする生活上のコツ4つ

第4話【連載】治療の専門家マッサージ師が教える血流と痛み・炎症との関係がわかる基礎知

第5話【連載】マッサージ師直伝!こり・頭痛のお悩みの方におすすめする実践的解消法

第6話【連載】治療の専門家木村が伝授!腰の痛みで悩んでいるあなたに教える知識のポイントとセルフケアの実践方法

第7話【連載】姿勢を考える時に重要となる「軸」という考え方についてお伝えします!

第8話【連載】姿勢で軸をよくしたい方に教える「運動面」の考え方とその運動方法

第9話【連載】治療の専門家・木村が考える、”知っておきたい神経の知識”

第10話【連載】「怪我した反対側も痛くなった!」その原因を神経の知識から解説します!

第11話【連載】痛み止めや湿布を使うタイミングを考える〜可塑性(かそせい)〜

第13話【連載】あなたは、大丈夫?知らず知らずのうちに内臓に疲労を蓄積してるかも

 

ABOUT ME
木村佑介
木村佑介
木村 佑介(きむら ゆうすけ) H1.8.16 学歴 都立井草高校 →立教大学法学部 →東京衛生学園専門学校 東洋医療総合学科(主席) 資格 あん摩マッサージ指圧師 はり師 きゅう師 スポーツ歴 中学〜陸上競技 高校時代:3年次、200m、400mにて関東大会出場 大学時代:4年次、関東インカレ(2部)4×400mリレー優勝 「現在の職業についた理由」 高校時代まで、怪我とはまったくの無縁で、記録も順調に伸び続けました。大学1年次も夏頃までは好調をキープ。追い風参考記録になったものの、初の100mで10秒台となる10”91をマーク。が、1年次後半に肉離れを起こして以来、ほぼ毎年怪我をしている状態になる。3年生になる頃に、先輩に紹介してもらった先生に出会い、復活し、4年次には最大の目標であった関東インカレ優勝を果たした。この先生に出会って、自分も治療家になりたいと思い、法曹志望の道を一転させて、治療家の道に。現在は、都内マッサージ院にて勤務の傍ら、師匠の元に通い、修業中。