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【連載】コラーゲンについてどのくらい知ってますか?

コラーゲンって何だろう?実は、身体の硬さに関係してきます。今回のポイントは「コラーゲン」という存在です。実は身体の硬さに非常に関係してきます。そんなコラーゲンを今回は取り上げていきます。

前回の記事>>【連載】あなたは、大丈夫?知らず知らずのうちに内臓に疲労を蓄積してるかも

 

まずはコラーゲンの「結合組織」を知ろう!

コラーゲンと言われて、パッと思いつくイメージといえば「お肌ぷるぷる」というような、美容に対するイメージが強いと思います。なんとなく、肌には良いんだろうという程度のものであるかと思います。さて、そんなコラーゲンを順を追って見ていきましょう。

コラーゲンを理解するために、まずは大元の知識となる結合組織からです。結合組織とは、動物において、組織と組織の間を埋めるような組織の事で、具体例としては「筋膜」「腱」「靭帯」「骨」「関節包」などが挙げられます。簡単に言うならば、身体において接着剤のような働きを行う組織をひっくるめて、結合組織と呼んでいます。コラーゲンはその結合組織を作る材料の中で最も大きいウエイトを締める物質なのです。

 

コラーゲンの正体は、タンパク質です!

コラーゲンの正体は、「タンパク質」であると言えます。タンパク質というと、からだカレッジを良くご覧の方々にとっては「筋肉」のイメージがしやすいかと思います。コラーゲンは、骨や、腱、皮膚の主要なタンパク質であり、哺乳類の全タンパク質の25%を占め、タンパク質の中で最も多い存在となっています。

タンパク質である以上、例えば「肌をぷるぷるにする効果を出すために、コラーゲンを増やしたい!」場合、タンパク質の積極的な補給は必要不可欠となってきます。皮膚や腱といった組織のコラーゲンは「繊維芽細胞(せんいがさいぼう)」
骨のコラーゲンは「骨芽細胞(こつがさいぼう)」という細胞から、それぞれ分泌され、身体の各器官で使用されていきます。

 

コラーゲンはどんな役割を果たすのか?

立ったり、座ったり、あるいは高度なスポーツの動作など、私達の身体を実質的に動かしているのは筋肉や、骨といったいわゆる「筋骨格系」の働きによるものです。ですが、その筋骨格系だけでは、身体はうまく動くことができません。身体にはある各組織がバラバラに動かないように安定性を生み出すのが「コラーゲン」を始めとした「結合組織」の働きです。

特にコラーゲンは「引っ張り」に対しての安定性を強める力があるために、多く集めることで、「腱」といった非常に強い組織を作ったりする事が出来ます。今、話題になっている「筋膜」といった組織も、このコラーゲンという存在なしには語れません。ちなみに、このコラーゲンは水を引きつける力が非常に強いために、『コラーゲン=ぷるぷる』という使われ方をします。

 

コラーゲンは常に調整されている?

さて、ここまで読んでいただいた方は「コラーゲン=肌」というイメージでは無くなったかと思います。コラーゲン自体は、日々身体の消耗に合わせて、作りかえられていきます。(その材料にタンパク質が必要なのは先ほど挙げました。)
さて、このコラーゲンの作りかえは適当に行われているのでしょうか?

実は、【コラーゲンをどこにどれだけ作るか】は身体の要求に従って決定されます。可動性が必要な場所においては少なく、安定性が必要な場所には多くといった具合です。

パソコン作業などで首が前に出ているような姿勢を長く取り続けていると、身体は以下のように理解します。「首は最近余り動かされていないな。ということは、あまり可動性は必要としないはず。コラーゲンを多く作ってより安定性を増すようにしよう!」

結果、首の周りは硬くなっていき、首や肩などに痛みを出す要因となってしまいます。筋肉の硬さには原因が様々に考えられますが、筋肉や、その周辺にコラーゲンが多く作られてしまった結果がかなりのウエイトを締めてきます。

 

コラーゲンの性質をうまく利用して、柔らかい身体を手に入れよう

さて、身体が硬くなってしまう要因にコラーゲンの過剰な生成を挙げました。コラーゲンは前述の通り、身体の要求に応える=普段の生活習慣を反映させることで身体を守ろうとします。そんなコラーゲンの性質を利用して柔らかい身体作りを目指すポイントは以下の二つです。

1:運動の【習慣化】

普段の生活習慣の一部に、運動を組み込みましょう。私自身は毎日のストレッチポールでの背骨周辺のエクササイズ(以前の記事で紹介しています)や、週2回程度の筋トレ、週1~2回程度のランニングを組み込んでいます。普段のマッサージの施術などでは、どうしても胸をすぼめたような姿勢になってしまうため、意識的に背筋を伸ばしたり、あるいは普段ほとんどしない回旋や左右の動きも取り入れています。

2:保温の重要性

この連載中、温度の重要性は繰り返し取り上げてきています。そしてコラーゲンを考えるときにも、重要です。コラーゲンの性質には温度による性質の変化があります。温度が上がるとより液状に、下がるとより粘度を増すという性質です。

ウォームアップの一つに「筋粘稠性の低下」という目的がありますが、体温が上がると身体が柔らかくなるというのは経験上知っているかと思います。入浴によって深部まで熱を伝え、コラーゲンをより液状に変化させた上でストレッチングなどの運動を行うことは柔らかさを手に入れるためには非常に有益になります。(ちなみに、身体中のコラーゲンが液状にドロドロになるということではないという点だけ注釈をつけておきます。)

第1話【連載】マッサージ師が感じた健康作りへの近道とは!?
第2話【連載】マッサージ師が教える血流を良くするための知識と運動方法〜背骨編〜
第3話【連載】マッサージ師が教える血流を良くする生活上のコツ4つ
第4話【連載】治療の専門家マッサージ師が教える血流と痛み・炎症との関係がわかる基礎知
第5話【連載】マッサージ師直伝!こり・頭痛のお悩みの方におすすめする実践的解消法
第6話【連載】治療の専門家木村が伝授!腰の痛みで悩んでいるあなたに教える知識のポイントとセルフケアの実践方法
第7話【連載】姿勢を考える時に重要となる「軸」という考え方についてお伝えします!
第8話【連載】姿勢で軸をよくしたい方に教える「運動面」の考え方とその運動方法
第9話【連載】治療の専門家・木村が考える、”知っておきたい神経の知識”
第10話【連載】「怪我した反対側も痛くなった!」その原因を神経の知識から解説します!
第11話【連載】痛み止めや湿布を使うタイミングを考える〜可塑性(かそせい)〜
第12話【連載】神経と筋肉の結び付けを考え、神経を鍛えよう!
第13話【連載】あなたは、大丈夫?知らず知らずのうちに内臓に疲労を蓄積してるかも

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木村佑介
木村佑介
木村 佑介(きむら ゆうすけ) H1.8.16 学歴 都立井草高校 →立教大学法学部 →東京衛生学園専門学校 東洋医療総合学科(主席) 資格 あん摩マッサージ指圧師 はり師 きゅう師 スポーツ歴 中学〜陸上競技 高校時代:3年次、200m、400mにて関東大会出場 大学時代:4年次、関東インカレ(2部)4×400mリレー優勝 「現在の職業についた理由」 高校時代まで、怪我とはまったくの無縁で、記録も順調に伸び続けました。大学1年次も夏頃までは好調をキープ。追い風参考記録になったものの、初の100mで10秒台となる10”91をマーク。が、1年次後半に肉離れを起こして以来、ほぼ毎年怪我をしている状態になる。3年生になる頃に、先輩に紹介してもらった先生に出会い、復活し、4年次には最大の目標であった関東インカレ優勝を果たした。この先生に出会って、自分も治療家になりたいと思い、法曹志望の道を一転させて、治療家の道に。現在は、都内マッサージ院にて勤務の傍ら、師匠の元に通い、修業中。