マッサージを始めとした施術にとって、必ずといっていい程経験するのが「もみ返し」と言われる症状です。これがなぜ起こるのか、起こった時どう対応すべきなのか、ここを考えてみていくのが今回取り上げる話題になります。
前回の記事>>【連載】健康食品から見る、身の回りに溢れる生活習慣予防策について
もみ返しとは?
まず、今回扱う「もみ返し」を定義しておきましょう。
【あん摩、指圧、マッサージなどの施術を受けた後、施術を受けた箇所に現れる不快感や痛み】
簡単に言い換えると、マッサージとか受けた翌日とかに、痛みが出てきてしまったといった状態です。
マッサージ中、身体はどう反応しているのか?
さて、本題に入る前に重要なポイントを押さえておきましょう。あん摩、マッサージ、指圧のいずれの施術にも関連するのが「対象者の身体に圧をかけること」という側面です。圧を加えれば、そこで反応するのがここでの投稿で何回か紹介しました【ポリモーダル受容器】です。
簡単におさらいしておくと、ポリモーダル受容器は圧や熱など、様々な刺激に反応し、「神経性炎症」を起こす存在として、身体のあらゆる場所に存在しています。
例えば、腕をひっかいて、その場所が赤くなるといった反応も、ポリモーダル受容器による炎症の結果です。
(写真で赤くなってるのがわかるでしょうか?)
ここで大事なのは、施術にとって炎症は避けては通れない道であるということです。(※炎症の結果、血流が増加するので決して悪いことではありません。この辺りは以前の投稿をご覧ください。)
筋肉痛と同じもする見方
筋肉に対して、圧迫を加えることで筋肉自体の形を変えるような刺激になっています。わかりやすい写真があったので以下を見てみましょう。ちょうど左手親指の所です。
筋肉の形を変える=筋肉の長さを変えると見ると、運動しているのと変わりがないなと見ることも出来ます。そのため、【運動によって起こる筋肉痛のようなもの】だとするのか、まず一つ目の見方です。
組織の損傷が起きたとする見方
身体が「痛い」と感じる原因の一つに、骨折や肉離れなど、身体の組織のどこかが損傷してしまった場合が挙げられます。【我慢できないほどに強い圧での施術】がわかりやすい例として挙げられるかと思います。
例えば
- 施術を受けた箇所に内出血がある
- 施術を受けた箇所が腫れている
といった場合、この可能性が考えられます。こういった場合には怪我への一般的な処置方法として安静や冷却などが適応になります。
治療効果が出てきているという見方
ここでは少し説明が必要になってきます。腰を痛めた場合を例にあげましょう。
重い物を持つ際に腰に痛みを感じた。
↓
痛みで動きが取れないほどになってしまった。(痛みのピーク)
↓
数日経って、少し痛みがおさまってきた。
↓
1ヶ月後、腰の痛みはまったく感じなくなった。
ポイントは、最後の所です。1ヶ月後、痛みが感じなくなった=治ったと捉えがちですが、完全に改善したとは言えない場合も多くあります。特に「同じ箇所を何回も痛めてしまう」といった経験がある方に当てはまる事です。上記の腰の例で言えば、「ギックリ腰を何回も経験している」といった感じです。
【慢性化して痛みを感じなかった所が、施術を加えた結果、痛みが出てきてしまった】というのがここでの見方です。「施術の回数を重ね、痛みが漠然とした所からピンポイントになってきた」と言う場合、この見方が当てはまると思います。
この場合、身体にとって良い反応が起こっているため、特に対応する必要はないのですが、痛みがあまりにも気になる場合、単発的に湿布を利用するなどはありかと思います。
(→以前投稿した湿布、痛み止めを使うタイミングも参照してください。)
さて、もみ返しをパターン別に分けて考えてみました。いずれの場合も3日程度で痛みが解消するのであれば、身体に大きな影響はないかと思います。逆に2週間以上も続いてしまっているなどの場合は病院での相談をおすすめします。
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