- 健康促進
- パワーアップ
- ダイエット
- キレキレのカラダ作り
…などなど、トレーニングをする目的は人それぞれですよね。
でも、世の中には、”意外な目的”のためにトレーニングに励む人たちがいるんです。
インドの首都・デリーから車で1時間ほど南へ走ったところにあるアソラ村。
人口およそ3500人のこの小さな集落に行ってみると、驚きの光景に出会います。
それが、筋肉粒々の男性たち!!
出典元:CNN
子供から大人まで、住民男性のうち実に90%が“筋肉男”ともいわれ、ソアラ村はいわば「マッチョ村」として日本のメディアでも紹介されているんです。
村にはアスリートの養成所でもあるのでしょうか?
それとも、大手スポーツ用品メーカーのおひざ元なのでしょうか?
この、世界でも珍しい”マッチョ村”の謎をひも解いてみましょう。
インドの近代化がもたらしたニュービジネス
マッチョ村になるキッカケは、1990年代。
その頃、農業が主要産業だったアソラ村には、まだトレーニングに励む男性はほとんどいませんでしたが、数人の若者だけが日々レスリングを楽しんでいました。
すると、その若者の噂を聞きつけた人物が「結婚式のボディーガード」として彼らを雇うことにしたのです。
しかも、当時の平均月収の5倍という高額報酬!
実は1990年代のインドといえば、経済の開放政策が取られたことで近代化が進んだ頃。
人々の暮らしが裕福になってきて、用心棒が色々な所で必要になっていました。
この高額報酬で仕事を得た若者のことが話題になると、以来、村では「筋力や体力が新たな仕事に結びつく」という発想が生まれ、男性たちがこぞってカラダを鍛える習慣が定着。
その多くが、ナイトクラブやレストランなどで用心棒や警備員としての職と高額報酬を得るようになりました。
そう、カラダを鍛えることが高額報酬につながるビジネスモデルができあがったのです。
これぞ「マッチョドリーム」!
現在、ソアラ村では用心棒や警備員が「主要産業」ともいわれています。
筋肉ビジネスが、村の経済を一変させた
アソラ村の月収は、およそ4万ルピー(6万2000円)とされ、近隣の平均的な労働者の2倍だそうです。
つまり、村人の暮らしはそれだけ潤っているということですね。
求人が大幅に減ることもなく、村出身者で仕事を融通する“筋肉ネットワーク”も構築され、村人を指名しての雇用につなげているそうです。
それだけではありません。
最近では、意外な方面からの仕事依頼も増えました。
年間の映画制作本数が世界一ともいわれるインドで、映画製作の中心地ボリウッドから、村の男性たちに役者としてオファーが来るケースが相次いでいるのです。
現役の警備員たちが、レスラー役などで映画に出演。
屈強な男優を求める制作現場では、アソラ村の男性がうってつけなのかもしれませんね。
日々行っているのは”原始的なトレーニング”
出典元:Barcroft Studios
アソラ村は、世帯収入が増えているとはいえ、先進国の街ほど裕福な地域ではありません。
最先端のトレーニング施設もなければ、運動器具が充実しているわけでもなく、彼らがメインで行っているのはいわゆる「自重トレーニング」です。
例えば、
- 回数や負荷を変えながらの腕立て伏せ
- 公園の遊具を使った懸垂や腹筋トレーニング
など。
さらには、生活用品であるバイクや農業機器をバーベル代わりにするといった、いわば“原始的な方法”で屈強なカラダを作り上げていたのです。
出典元:Barcroft Studios
また、驚くことに、村にいるおよそ200人の子供たちも、特別な器具を使うことなくレスリングや自重トレーニングで日々カラダを鍛えていました。
トレーニング器具がどんどん進化している時代ですが、そうしたものを利用しなくても工夫次第で人は強くなれるってことですね。
意外…彼らは肉食ではなくベジタリアン
もう1つ気になるのが、彼らの食事。
これだけカラダ作りにこだわるなら、
「筋肥大を目指して肉中心の食事はもちろん、プロテインやアミノ酸などのサプリメントを積極的に摂っているのでは?」
と思うかもしれませんが、意外にも、「肉からたんぱく質を摂る」という習慣は彼らにはありません。
例えば彼らの食事は…
- フルーツ
- ナッツ
- パン(ナン)
- ヨーグルト
- アーモンドミルク
などが中心となっていて、これらを大量に摂取します。
たんぱく質は、ヨーグルトやミルク、アーモンドなどから摂るようですね。
さすが、「菜食主義者」が多いインドならではの発想。
カラダ作りのため、何かと「サプリメント」に頼ってしまいがちな私たちですが、栄養面でもアソラ村の習慣から学べることがありそうです。
夢を育んだ小さな村の大きなポテンシャル
インドにある小さな集落、通称・マッチョ村。
住人たちがカラダを鍛える目的は、暮らしを豊かにするための「生活の基盤づくり」でした。
日本でもマッチョが優遇される環境や制度があれば、マッチョドリームのような現象が巻き起こって、トレーニング文化がもっともっと定着するかもしれませんね。
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