【連載】現役助産師・古澤由梨さんが教える赤ちゃんの母乳育児について

今回は、母乳育児についてお話させて頂きます。私は全く覚えていませんが、3歳まで母乳を飲んでいたそうです。母は仕事をしながらだったので、母にはありがたい気持ちでいっぱいです。

みなさんは母乳でしたか?ミルク?
母乳とミルク両方?
どうだったでしょうか?

 

赤ちゃんの飲み物である母乳はどのようにして作られるのか?

大きく3段階を経て母乳はつくられます。まず妊娠16週頃から、多くのホルモンが乳房の中にある乳腺に働きかけて、乳腺は血液から母乳を作る準備をします。そして出産によって、エストロゲン、プロゲステロンというホルモンが急激に減り、乳腺は母乳をたくさん作り始めてます。母乳の分泌や確立していく時期で産後3~8日位の時期です。産後約9日を過ぎると、赤ちゃんが飲みとる量によって決まってきます。

(出産してはじめから母乳がたくさん出て、赤ちゃんがゴクゴク飲んでよく寝るのをイメージしがちですが、実はそうではありません。)

このように妊娠中から長い経過を経て母乳が作られます。はじめは、キラッとにじむ程度。そこから赤ちゃんが吸うたびに徐々に母乳が作られています。

ポツポツ→ポタリポタリ→ポタポタとこんなイメージで母乳が出ます。と同時に乳房が少しずつ熱くなる→張ってくる→硬くなって痛い→飲ませると楽になったり柔らかくなる→ 片方母乳をあげていると、もう片方の乳首からポタポタと垂れてくる→徐々に飲む量と作られる量のバランスがとれてくるとざっくりですが、このような経過を辿ります。(出産後から母乳のみであげた場合で、個人差はあります)

母乳の出はじめは、初乳といって、免疫物質が多く含まれています。そこから1週間ほどすると成乳となって母乳に含まれる成分も変わっていきます。また母乳の成分は、約90パーセント近くが水分で、残りが赤ちゃんの栄養となる物質が含まれています。そのため、母乳を飲んでいる赤ちゃんは、水っぽいうんちになります。

 

赤ちゃんを母乳育児をしてみたいというお母さんへ

母乳で育ててみたいという方は、これからたくさん刺激して母乳を作る土台を作る為にも、はじめは授乳時間が3時間はあかないように吸ってもらうのが良いです。1日10回~12回くらい、中にはそれ以上母乳をあげている方もいます。また、赤ちゃんが欲しがっているようだったら、間隔や回数を気にせずにどんどんあげましょう。

余談ですが、赤ちゃんの胃の大きさは、はじめはビー玉くらい。生後3日目くらいは、ピンポン玉くらい。生後10日くらいになると、鶏卵大くらいになっていきます。そして、赤ちゃんは、必ず「お母さん、おっぱいが欲しいよ~」とサインを出しています。

具体的には、手を口に持ってきたり、おっぱいを飲むように口を動かしたりなどしています。しかし、赤ちゃんがサインを出していてもおっぱいがもらえない場合、最後には、泣いてアピールします!

赤ちゃんが母乳を欲しいサインを見つけたら、泣く前に母乳をあげるのが一番ベストです。そして、母乳が出てきたら、左右しっかり飲んでもらいましょう。抱き方は、交差横抱き、フットボール抱き(ラクビー抱き)たて抱きがあります。

ただ、吸わせればいいもんではありません。

いろいろありますが、その一部を紹介すると赤ちゃんの口とお母さんの乳頭が同じ高さになるように調整する。お母さんが楽な姿勢で、余分な力が入らないようにするのがポイントです。赤ちゃんがお母さんの乳首(正確は乳輪までできるだけくわえて)まで深くくわえられて吸えるようにする。赤ちゃんとお母さんが密着していること。

はじめは首がすわっていないので、しっかり支えましょう。一番の近道は、産んだ施設のスタッフや専門家にみてもらうのが一番良いです。

もう一つお伝えしたい事として、母乳育児をするにあたり、夜間の授乳についてです。出産後、母乳の出はじめは、赤ちゃんは夜中になると火がついたようにギャンギャン泣きます。さっき母乳をあげたのにまた泣く→母乳を飲ませる→ベットや布団に寝かせるとまた泣く→また母乳をあげる。

それの繰り返しで、お母さんがほとんど眠れずに朝を迎える方が多いです。(出産後からずっと母乳のみの場合)これは、プロラクチンという母乳を作るホルモンの濃度に日内変動があって、夜間の方が高いといわれている関係です。そこに合わせて赤ちゃんは、夜に起きだして、お母さんの母乳を早く出そうと取り組んでいるので、理にかなっています。

そして、朝になると、赤ちゃんは、何事もなかったようにすやすやと寝続けてしまい、反対に母乳を飲まなくてお母さんが困るといった事が出産後数日間に多く見受けられます。赤ちゃんがやっと寝てくれた、今も寝ているから、母乳をあげなくていいかなぁ⁉︎と思いがちですが、母乳の分泌を促進する為に、3時間空かないように起こしてでも継続して母乳をあげましょう。

出産後の数日間の夜は、赤ちゃんが泣いてしんどいかもしれませんが、そこをのりきると、必ず母乳の出が量となっていくでしょう。また、出産後の夜の授乳は、頻回になりますが、お母さんの体は素晴らしく、産後の睡眠は、短時間熟睡型にかわると言われています。気持ち的には寝ていないけど、体的には短時間で深い睡眠になるので体力的には、回復できるようになっています。

しかし、どうしても母乳だけでは辛くミルクも使ってみたいという方は、専門家に相談してみましょう。

そして、夕方頃になると赤ちゃんがぐずりだし、いつまでもダラダラとおっぱいを吸っている子もいます。夕暮れ泣きともいったりします。これは、プロラクチンという母乳を作るホルモン濃度が夕方頃になると昼間に比べて低くなってしまうことが考えられます。夕方になるとなかなか母乳を離さない場合は、早めに夕食支度を早めにするなどして、赤ちゃんに母乳をあげるのがおすすめです。

加えて、産後2週間は精神的にも不安になりやすい時期です。お母さんが母乳が足りないのではないかと母乳不足感になる時期でもあり、どちらかというと経産婦さんより初産婦さんが多いです。実際は、母乳で十分足りているのに、本当に大丈夫なのかと思ってしまう時期でもあります。そのような場合も含めて、また母乳のトラブルや気になることは、産んだ施設や専門家に相談しましょう。

母乳が軌道にのるのは人それぞれのペースがあります。早い人で2週間、長い方は、1か月、2カ月その先かけて完全母乳になっていく方もいらっしゃいます。母乳育児は、誰かと比べるものではなく、個人差があるので、焦らずに長い目で見ていくことが大切です。産後1か月、3か月は赤ちゃんが急成長期に入るので、母乳を欲しがります。引き続き赤ちゃんに合わせて母乳をあげてくださいね〜。

 

母乳育児中の悩みに母乳パッドについて

母乳が出るようになり、母乳をあげているとそのうちに片方の母乳も自然と垂れてくる方もいらっしゃいます。母乳パッドを使用しますが、使い捨てタイプと洗って使うタイプがあります。私の予想ですが、おそらく、使い捨てタイプを使っている方が多いのかなぁと思います。使い捨てタイプの利点としては、母乳の吸収がよく、手間がかからない。テープでつけるのでズレないといった事が挙げられます。

反対に欠点としては、ゴミが多くなる、費用がかさむ。皮膚の炎症のリスクが挙げられます。母乳パッドの細菌学的研究によると、短時間だと、常在菌が検出されるだけだそうですが、母乳パッドを装着してから5時間経過すると、細菌の増殖が顕著に認められたという報告があるそうです。

母乳の出にもよりますが、母乳パッドは3~4時間ごとの交換をオススメします!もし、使い捨てタイプが合わない方は、オーガニックコットン素材、綿素材、タオル生地などありますので、そちらを使ってみられてもよいかと思います。もちろん利点、欠点はあります。使い捨てタイプと洗って使うタイプはお母さん自身が使って試して選択して頂けたらと思います。

また、2人目を妊娠していても、上の子がおっぱいを欲しがっていて、お母さんのお腹が張りが氣にならず出血をしていないのであれば無理に母乳をやめなくよいですが、心配な場合は、相談しましょう。

 

赤ちゃんの母乳育児を続けていきためのワンポイントアドバイス

赤ちゃんがずっと泣いていると、お母さん自身、キーッ!!イライラ!!もーっ!!なんで⁉︎となる時も多々ある事と思います。そんな時は、1人で抱え込まずに、ご主人さんやパートナー、ご家族にたくさん甘えて下さいね!母乳は、お母さんにしかあげられないけれど、ミルクをあげる、抱っこやオムツ交換、沐浴は家族みんなでできますよね。

母乳は、昼夜問わず、お母さんと赤ちゃんと2人で力を合わせています!赤ちゃんは泣く事でコミュニケーションを図り、お母さんは一生懸命母乳をあげています。その労い、フォローをご主人さんやパートナーさん、ご家族の方に私からお願いしたいです。温かい目で見守って下さいね!どうぞよろしくお願いします(^^)

そして母乳は奥がとっても深いです。赤ちゃんにとっての体の栄養だけでなく、心の栄養でもあります。赤ちゃんが母乳を飲む時期も人生長い目でみたら、ほんの数年間です。この期間も十分に味わってくださいね〜!!

赤ちゃんとのかけがえのない時間を大切になさってください(^^)

第1話【連載】現役助産師・古澤由梨さんの教える妊娠中の過ごし方アドバイス3つ

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ABOUTこの記事をかいた人

古澤由梨

助産師 茨城県生まれ。 9歳の時に姉の交通事故死を経験。 母が看護師をしていた事、姉の死をきっかけに医療の分野に興味を持ち、看護師となる。 重症病棟を経て消化器・歯科口腔外科病棟に勤務。 看取りの看護や胎内記憶の新聞記事やいのちに関する数冊の書籍をきっかけに、生命の原点に戻って勉強したい、新しいいのちをこの手で迎えたい!という思いが強くなり、助産師の道に転換する。 筑波大学附属病院に再就職。 総合周産期母子センターに勤務後、現在は、産科クリニックに勤務。 出産や母乳育児支援を通して、妊産婦さんや赤ちゃんと関わっている。 助産師10年、これまで約600名の赤ちゃんをこの手で迎えている。 お産の際に、必ずしている事として お産の神様と生まれてきた赤ちゃんのお父さんお母さんそれぞれのご先祖様、過去世のご先祖様に感謝と報告をする。 赤ちゃんとお母さんをつないでいる胎盤とへその緒を片付ける時に、今までありがとうございましたと感謝してから片付ける事を心がけている。 赤ちゃんのいのちを感じられるお産。 出産を通して、家族の愛と絆が深まり、幸せの輪が広がり、笑顔あふれるあたたかい世界になっていく事が夢。