ここまでの連載記事では、「糖質」と「肥満」の関係について解説してきました。簡単にまとめると ①体脂肪が増える原因は「糖質」を食べること ②糖質を食べる量を減らすと体脂肪が減る(理想は1日60g以内の糖質量) ということになります。
このように、「糖質」の食べ過ぎは「肥満」を招く原因になるのです。ただ、ここまでの連載では、大まかに「糖質とは炭水化物と甘いもののこと」という前提で話を進めてきました。しかし、糖質制限食をより詳しく知る上では、もう少し具体的に「糖質」について理解する必要があります。
そこで、この記事では、糖質の種類について解説していきます。
この記事を読むことによって、「糖質」がどのようなものであるかの理解を深めることができます。
前回の記事>>【連載】0から3ヶ月で健康になれる食事法 第5話:「糖質」を制限すると痩せる! その仕組みとは?
糖質の種類
糖質は大きく分けると「炭水化物」と「甘いもの」に分けることができます。さらに細かく分けていくと「糖質」にもさまざまな種類があります。
ここでは、糖質を3つに分類し、具体的なその内容について、以下、詳しく解説していきます。
糖類(単糖類・二糖類)/糖質の種類1
糖類 = 単糖類+二糖類
糖類とは、「単糖類」と「二糖類」の総称です。例えば、単糖類には脳のエネルギーとして使われるブドウ糖(グルコース)や果物に多く含まれている果糖(フルクトース)という種類の糖があります。また、二糖類には、ショ糖(砂糖)や牛乳に含まれている乳糖などの糖があります。
いわゆる「甘いもの」はこの糖類に含まれており、糖質制限食ではこの糖類を避けることが重要となっています。
糖質(三糖類以上、糖アルコールなど)/糖質の種類2
糖質 = 炭水化物 – 食物繊維
糖質とは、「炭水化物」から「食物繊維」を除いたもののことをいいます。具体的な内容は後述しますが、「炭水化物」はお米やパン、めん類などのことです。また、「食物繊維」とは、人の消化酵素で消化できない成分のことで、便秘の解消に役立つとされている成分です。
特に問題となるのが「でんぷん(多糖類)」で、これらは単糖類のブドウ糖がまとまったものであり、体の中で分解されてブドウ糖になります。でんぷんには多くのブドウ糖が含まれているので、食べると体脂肪増加につながったり、血糖値上昇につながったりします。また、私たちがよく食べる炭水化物には「でんぷん」が多く含まれています。
糖質の例としては、多糖類である「でんぷん」、「ムコ多糖類(うなぎやフカヒレなどに含まれる)」、糖アルコールでは、ガムなどによく含まれている「キシリトール」などがあります。
炭水化物/糖質の種類3
炭水化物 = 糖質 + 食物繊維
上記の「糖質」の式を変形させただけですが、炭水化物とは「糖質」と「食物繊維」を合わせたもののことをいいます。
基本的に私たちが糖質(特に「でんぷん」)を摂るときは、この「炭水化物」の形で食べることが多いです。例えば、お米(白米、玄米、五穀米など全て)であったり、パンやラーメン、そば、お好み焼きなどの小麦粉から作られた食品であったり、サツマイモなどの芋類であったりは全て炭水化物に当たります。
このように考えると、私たちが「糖質」を食べやすいのは、この「炭水化物」からであると考えて良いでしょう。そのため、糖質制限食では、なるべく「炭水化物」の食事量を減らすことが大切となっています。
まとめ
糖質とは大きく分けると ①糖類、②糖質、③炭水化物 と3つに分けることができます。このように見ていくと、「糖質」は私たちの食生活でよく食べられていることがわかります。
ただ、さらに細かく見ていくと同じ「糖質」であっても、さまざまな特徴があることがわかります。次回以降の連載では、今回紹介した「糖質」の種類を踏まえて、その特徴について解説していくことにします。
第1話【連載】0から3ヶ月で健康になれる食事法 第1話:肉中心と野菜中心の食事法はどちらが健康に良いのか?
第2話【連載】0から3ヶ月で健康になれる食事法 第2話:肉中心の食事法~糖質制限食とは~
第3話【連載】0から3ヶ月で健康になれる食事法 第3話:太る仕組みと理論
第4話【連載】0から3ヶ月で健康になれる食事法 第4話:現代人の糖質摂取量と抑えるべき糖質摂取量
第5話【連載】0から3ヶ月で健康になれる食事法 第5話:「糖質」を制限すると痩せる! その仕組みとは?
第7話【連載】0から3ヶ月で健康になれる食事法 第7話:血糖値の乱高下が引き起こす健康への悪影響
第8話【連載】0から3ヶ月で健康になれる食事法第8話:GI値が高い代表的な食品は何か?
第9話【連載】0から3ヶ月で健康になれる食事法 第9話:スイーツに含まれる砂糖の含有量