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【連載】オトナ世代を3ヶ月でゲンキな体にシフトチェンジする方法 VOL.5

こんにちは。シニアフィットネスの専門家・長生きストレッチの吉田真理子です。
シニア世代ではなく、もっと前の「オトナ世代」のうちにゲンキな体にシフトチェンジする方法というテーマで色々ご提案させていただきます。

前回>>【連載】オトナ世代を3ヶ月でゲンキな体にシフトチェンジする方法 VOL.4

 

【ドライボディについて】

前回、カラダの水分が減らないように気をつけましょうというお話でしたね。
「ドライボディ」という言葉がテレビで取り上げられていたのを耳にしたことがある方もいらっしゃるかも知れません。

ドライボディ=カラダに水分をためられない体質の人 

日本に400―800万人いるそうです(@_@;)!!
ドライボディの人はいくら水を飲んでも、カラダに水分が補充されず、水分不足の状態にあるので、常に血液がドロドロ出、ちょっとした暑さでも熱中症にかかりやすくなります。

なぜそんなことが起こるのでしょうか?

成人男性が必要な水分量は、1日2000~2500ml。同時に同じ量が排出されます。

水分摂取 合計2000-2500ml。
○飲料水 ― 800-1300ml
○食物 ― 1000ml
○体内での代謝水(*) ― 200ml

*代謝水:体内での栄養素の酸化的分解過程で生じる水のことで、酸化水ともいう。
1gの栄養素が完全に酸化されると、タンパク質は0.3g,炭水化物は0.6g,脂肪は1.1gの水を生じる。

水分排出 合計2000-2500ml。
○尿 ― 1000-1500ml
○便 ― 900ml
○生理的なもの ― 100ml

この摂取と排出のバランスが崩れ、カラダの体水分が足りなくなると脱水症状が起こります。

 

体の水分は約2/3は細胞内に、残りが血液や体液に蓄えられています。

《参考》一般成人男性における体の部位別(筋肉・脂肪・血液)の水分量

筋肉:約75%、血液:約80%、
脂肪組織:約10〜30%、 脳:約75%〜80%、
歯:約10%、目(網膜):約90%、
心臓:約77%、肺:約80%、
肝臓:約70%、腎臓:約80%、
皮膚:約70%、骨:約22%

細胞が若く筋肉のあるうちは、細胞の中で水分を保持できるのですが
加齢により筋肉が落ちてくると、細胞内の水分の保持量も少なくなってしまいます。

水分をためる細胞=筋肉 

筋肉は水分をため込むタンクの役割をしています!
体の脂肪は水分を10~30%程度しか含めないのに対して、筋肉には水分が75~80%ほど含むことができます。
脂肪の方が筋肉よりも水分が多いように思いますが、実は逆。
筋肉量の多い男性の方が、脂肪の多い女性よりも水分率が高いのです。
脂肪を減らして筋肉をつければ、体内の水分量を保持する力が高まります。

 

【こまめな水分補給と飲む中身が大切!】

水分補給の重要さは、繰り返し言われているとおりです。

★1日に水を1~1.5リットルほどこまめに飲むこと。★

   人の身体は30分間に200mlの水分しか吸収できないのです。
一度にたくさんの水を飲むのではなく少量を分けて、こまめに飲むことが大切です。

★運動時の補給水分の温度は、5-15度。★

(横浜国立大学 教育人間科学部 田中英登教授と「真夏環境下における運動時の最適な水分補給温度」に関する共同研究 http://www.thermos.jp/info/detail/20140000010046.html )

運動時に摂取する水分の温度も、重要です。
女性に多い「冷えるから常温での水分しか摂らない」は、激しい運動時には要注意です。

運動時の水分収支(※2)を測定したところ、水温10℃での補給は、気温31℃および 35℃ともにマイナスが最も小さくなりました(図2)。水温22℃での補給はどちらの気温でもマイナスが大きくなりました。これは運動時に脱水を起こしや すくなることを示唆しています。 図2※2:摂取した水分量-(発汗量+尿量)。発汗量は「運動前の体重+飲水量-運動後の体重-尿量」で算出。数値のマイナスが大きいほど、脱水になりやすいことを示しています。

田中英登教授による考察

実験の結果、生理反応および心理反応、パフォーマンス結果を総合すると、水温10℃が望ましいことが示唆された。

水温が高すぎると吸収量 が少なくなり、また低すぎると飲みにくく十分な飲水ができなくなる恐れや身体に負担がかかる可能性がある。
そのため、スポーツパフォーマンス向上という観点においては水温5℃~15℃の水分補給が適していると言えるであろう。

水温2度、ほぼ氷水ですね。
また、氷そのものを口に含んで水分とする方(バレエをされる一部の方や、運動中は水を飲むなで育った世代など)も、要注意です。

★塩分を取り過ぎない、とらな過ぎない。★

細胞を取り囲んでいる血液等の塩分が濃くなると、細胞内の水分が浸透圧によって流れ出して細胞の水分量が減少し水分不足になります。⇒塩分の取り過ぎ注意!
一方で、激しい運動で汗をかいた後は、水分と同じく塩分も外に出てしまいます。
運動後に水を飲んだりしますが、その直後には運動で外に出たほどの水は飲むことができません。

これは、水分と同じく塩分も失っているので、あまり水分だけを補給すると体液が薄まってしまうため、脳がストップをかけているためです。
すると身体は体液が薄くなることを防ごうとして、のどの渇きが無くなり、また過剰な水を尿として排泄します。
その結果、体液の量は十分に回復できなくなります。
この現象を自発的脱水といいます。

発汗などによって身体から失われた水分や電解質(イオン)をすばやく吸収させることができる塩水やスポーツドリンクなどであれば、塩分も同時に補給することができます。

★水分選びは成分に注目しよう★

体の水分量を増やす水の選び方にもコツがあります。
水は自分の好みの味で選んでもいいのですが、水分を選択する際に迷った時などは、成分に注目して選ぶことです。

○水の硬度をみる

硬度とは水質を表わす指標の一つで、水に含まれるマグネシウムとカルシウムの総量を算出したものの事です。

硬度が高い水を硬水、 硬度が低い水を軟水と表記するのが一般的で、 WHO(世界保険機構)の基準では、 軟水は硬度が120mg/リットル未満、硬水は硬度が120mg/リットル以上と規定されています。

ちなみに日本の水のほとんどは軟水です。
ですから、慣れている軟水の方が飲みやすいと感じる方が多いようですね。

○成分を見る。

・サルフェート:便秘改善、代謝アップ、消化促進等の効果
・シリカ(ケイ素):コラーゲンの生成、骨粗鬆症を防ぐ効果
・サリシン:色んな皮膚の炎症を抑える効果、乾燥肌にも効果

・水素:抗酸化作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用があり、
老化、動脈硬化や心筋梗塞などの予防や治療に効果があるのでは、と研究がすすめられています。

ちなみに、水素は分子がとても細かく、ペットボトルの容器でも抜け出てしまうくらいで、開けた時から水素は空気中に逃げやすいため、開封後早めに飲むことが大切!

 

【オトナ世代 水分保持で若々しい体を保つ3カ条】

1つ、脂肪を落として、筋肉をつけるべし。

1つ、こまめな水分補給で、乾燥による不快症状は改善できると心得るべし。

1つ、水分の温度や成分にも気を抜かず、カラダに必要なものをチョイスすべし。

 

はい。

次号も、楽しみにお待ちくださいね。

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「オトナ世代」簡単エクササイズ:
●リズミカルニーアップ

・その場で足踏み。太ももが床と平行になるくらいまで上げる。
(1秒に1回くらいのペース)

・大きく手を前後に振る。

*背中はまっすぐに。

*地面を蹴るのではなく、下腹部の力で膝を引き上げるようにする。

50回
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オトナ世代にもオススメな簡単ストレッチが満載の1冊。

ずぼらさん、ぐうたらさんでもできる朝1分夜1分軽楽すとれっち

(著)吉田真理子 ベースボールマガジン社

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第1話【連載】オトナ世代を3ヶ月でゲンキな体にシフトチェンジする方法 VOL.1
第2話【連載】オトナ世代を3ヶ月でゲンキな体にシフトチェンジする方法 VOL.2
第3話【連載】オトナ世代を3ヶ月でゲンキな体にシフトチェンジする方法 VOL.3
第4話【連載】オトナ世代を3ヶ月でゲンキな体にシフトチェンジする方法 VOL.4

 

ABOUT ME
吉田 真理子
吉田 真理子
■シニアフィットネスの専門家 ■「長生きストレッチ」考案者 ■女性の運動不足、カラダの痛みを解消するフィットネスディレクター ☆日本で最初の「2代目」エアロビクスインストラクター ●秦フィットネス研究所 所長 ●NPO法人フィットネスビューティ100 代表理事 ●健康運動指導士 ●日本フィットネス協会エアロビックダンスディレクター・エグザミナー・GFI ●日本ホリスティックコンディショニング協会 ホリスティックコンディショナー ●日本フットトレーナー協会 スポーツシューフィッターアドバンス 【経歴】 東京生まれ、銀行員の父の転勤で、川崎→大阪→千葉→横浜で育つ。 スポーツ好きの両親の元、ひたすら体育系を目指す道を歩む。 幼少期からの水泳→サッカーを経て、器械体操漬けの学生生活を送る。 アクション女優を夢見て日々頑張っていたが、高2で大怪我、選手生活引退を余儀なくされ、「レジャーレクリエーションスポーツ指導者」へと進路変更。 大学在学中は、冬はスキー一筋で年間100日を超える山籠り生活。夏はプールガード、キャンプ指導などに精を出し、春と秋に行う「ツナギ活動」としてエアロビクスに出会う。 卒業後、内定が決まっていた大手企業を辞退、日本で最初にエアロビクスとパーソナルトレーニングを行っていた会社にエアロビクスインストラクターとして入社。 メディカルフィットネス(整形外科でのフィットネス指導)チーフ、企業フィットネス(研修など)責任者、中高年フィットネス指導、インストラクター養成コース担当等を経て、バブルがはじけスタジオ閉鎖と同時にフリーーとして独立。東日本大震災直後に、NPO法人を設立。 フィットネスでより多くの人を元気に輝かせる活動をスタート。 スタジオやジムでの活動だけにとどまらず、より広くフィットネスを必要としている人の役に立てるようインストラクター、トレーナーの仕事創生に心血を注ぐ。 レッスンのみならず、企業研修、講演、フィットネスイベントプロデュース、執筆など幅広く活動中。 【理念】運動で、健康を手に入れ、自由でキラキラワクワク元気な人生を送れる人を増やすことで社会貢献する。踊りながら、自分でお棺に入り、「じゃあね☆」といって自分で蓋を閉めるのが夢。 【ビジョン】・平日は大好きなレッスンと執筆。土日は執筆した書籍、DVDをもって全国を講演行脚する。 ・10年以内に健康運動増進施設のプロデュースする。 【座右の銘】・動けば変わる