脚力の衰えを予防する大切さとおすすめのトレーニング

恥ずかしながら、私は40代になってからこれまで、道路で走って何度か転びそうになったことがありました。

上半身の勢いに足が追いついていかない感覚でした。

こんな歳から早くも足が弱ってきているのかと思ってショックでした。

私はデイサービスで高齢者の方に運動の指導などをしている立場でもあったので、これまで自分でも様々な運動や体操、健康法などを試してきましたが、効果を実感して自信を持って勧められるものにはなかなか出会えず、はっきりと目に見える成果を出すことは難しいと感じていました。

1年前に3か月間のオンラインのパーソナルトレーニングに取り組んで、その明らかな効果を自分の体で実感することが出来ました。

そして先日また、道路で走って躓いてしまいました。

しかし今回は足がパッと前に出て、大きく体勢を崩す前に踏みとどまることが出来た感じがありました。

これは、3か月間のパーソナルトレーニング修了後もずっと続けてきた、週2回のトレーニングの成果ではないかと私は思っています。

ちゃんとトレーニングをすれば脚の衰えも防げるのだと感じたので、この記事を書くことにしました。

 

私の転倒体験

私が、自分の身体機能と体力の低下、そして転倒の怖さを実感したのは、30代も半ばを過ぎた頃でした。

気持ち良く晴れたある日の早朝、ふと思い立った私は軽い気持ちで近くの公園まで走りました。

早朝の空気は清々しくて気分も良く、公園で気の向くままストレッチや筋トレ的な運動をして、意気揚々と帰ってきました。

健康に関心が強かった割には、日常的に運動をしていた訳ではなかったので、これは気持ちもいいし続けられそうな気がして、毎日の生活に組み込もうと思いました。

数日目の朝、走り始めてすぐに車道を横切ろうとして、歩道から車道への段差に気づかずに前方につんのめるような格好になりました。

前へ倒れそうな体に脚が追いつかずに、勢い余ってヘッドスライディングをするような格好で転倒してしまいました。

この時の体に受けた衝撃と、心理的なショックと恥ずかしさは今も忘れません(笑)

早朝で恐らく近くには人もいなかったと思いますが、転んだ自分が恥ずかしくて何ともないような振りをして立ち上がりました。

しかし転倒の衝撃はすごいもので、手や肘などもかなり擦りむきました。年齢とアスファルトには勝てません。

気持ち的には、いつまでも変わらない自分なのですが、30代も半ばに差し掛かってくると、ふとした時に体力の衰えを感じるのは、きっと多くの人が経験されているのではないでしょうか。

 

転倒によるリスク

高齢者の方が要介護になる原因の5位に、『転倒・骨折』がランクインしています。

高齢になると骨が、もろくなりがちですから、軽い衝撃でも骨折してしまうことがあります。

そして骨折などの運動器の障害がきっかけになって自分で歩けなくなり、そのまま動けなくなってしまう人が多いようです。

転倒して、太ももの骨のつけ根の部分で骨折する、『大腿骨頚部骨折』が非常に多いのは介護の現場ではよく経験することです。

高齢になると筋力が落ちるだけではなく、バランス感覚が鈍くなったり、反応速度が遅くなったりする傾向があります。

わずかな段差などで躓いて転倒する危険は大きくなってきます。

 

予防をすることの大切さ

加齢と共に段々と日常的に体を動かさなくなってしまうと、筋力が落ちて動くのが億劫になって益々動かなくなり、心身共に不活発になってゆく負のスパイラルに陥ってしまいます。

体に障害が生じても、前向きにリハビリに取り組まれる方ももちろんいらっしゃいますが、『こんな歳になって、もういまさら。。』というような言葉をもらす方も多くいらっしゃいました。

実際に高齢になって体の機能が落ち、複数の病気を合併したり、筋肉が落ちて硬く縮んだ状態になってしまうと、そこから回復するのはセラピストの手を借りても非常に大変で、労力も時間もかかります。

大変な思いをして頑張ってリハビリに取り組んでも、なかなか思うようには改善してくれないことも多々あります。

体の状態が、かなり悪くなってから治そうとするのと、普通に生活が出来ている状態からもっと体を良くしてゆこうとするのでは、後者の方が遥かに簡単で効果も出易いのです。

若いと思っていても、人生も中盤を過ぎると加速的に月日が経ち、体は頭で思うよりも早く錆びついてきます。

だからこそ、今のうちから少しでも体を動かして、自分の体と仲良くなることが大切だと思います。

 

まずは柔軟性

特に、体の柔軟性は大事です。

デイサービスに来られる高齢者の方で、介護度の高い方ほど体が硬いのが目立ちます。

どこが硬くなるかというと、お尻太ももの裏側ふくらはぎの筋肉が、縮んだ状態のまま、かた~くなっているんです。

こうなってしまうと、まっすぐ立とうとしても、骨盤が後ろに傾いた状態で固定されてしまうので、腰と背中が丸くなり、頭も前方に出るため、首、肩、背中、腰を筋肉や靭帯で引っ張って支えないといけなくなります。

前屈みのような姿勢を強いられて、体を支える筋肉は、常に緊張した状態になってしまいます。

筋肉の柔軟性がなくなって、可動域(関節が本来動ける範囲)が狭くなるということは、常にブレーキをかけながら動くようなものです。

筋肉は縮むことは出来ても、自分で伸びることは出来ないので、何もしないでいると年齢を経るごとに確実に体は硬くなります。

私が、デイサービスに勤めていた時には、利用者さんのストレッチを主にやっていました。

数分のストレッチですが、それだけでもやった後は可動域が拡がります。

ストレッチをやってもらうと、そのあと一日すごく体がラクだ、と言ってくださる方もいらっしゃいましたが、残念ながら翌日にはまた元に戻ってしまいます。

柔軟運動は頻度がかなめなので、毎日コツコツと続けないと可動域は拡がっていってくれません。

今の柔軟性を保つのも、硬くなってしまった筋肉の柔軟性を上げるのも、人任せでは無理な話で結局は自分にしか出来ません。

体に問題を抱えた高齢者を沢山見てきた立場から伝えたいことは、今のうちからストレッチだけでも習慣にして欲しい、ということです。

本当に硬くなってしまうと、自分でストレッチすることも難しくなってしまうんです。

ただし、義務感で顔をしかめてやるのではなくて、体が伸びる気持ち良さや、繰り返しストレッチすることで、体の可動域が拡がる変化を感じることが大事だと思います。

今は何もしていない方も、前屈を20秒するだけでもいいので、ぜひ朝晩にやってみてください。

前屈が柔らかくなるだけで、姿勢もよくなり、体の健康度は大きく上がります。

 

いきなり走ることのリスク

空気の澄んだ早朝に颯爽とジョギングをする。。

健康的で気持ち良さそうで、そんな生活ってなんかかっこいい!

そんなイメージがあって、「運動」=「走ること」と何となく思っている人は、私の世代では多いかもしれません。

そんな風に運動不足の解消にまず走ろうと考える人もいると思いますが、私のように転ばないにしても、膝や足に負担がかかって痛みや障害がでることもあります。

私も急に走り始めて右膝に痛みがでてしまい、長い間痛みがとれませんでした。

太ってはいませんでしたが、もともと体の歪みや体の使い方の偏りがかなりあったのだと思います。

そんな状態でいきなり走ってしまうと、偏った部分に余計に負荷がかかってしまうし、脚の筋力が弱い状態だと膝などの関節にはダイレクトにストレスがかかってしまいます。

学生の頃などに運動の経験があり、社会人になって運動から遠ざかっていて、太ってきたり健康のことが気になり始めて、また運動を始めようという人にありがちな、関節を痛めるパターンです。

走るのもいいのですが、ブランクがある場合は自分を過信せず、まずは体の柔軟性、そして筋力が十分あるかをチェックして、ストレッチと軽い運動もして、徐々に走る距離をのばすようにすることが、思わぬ怪我を防ぐことにつながります。

 

転倒予防に効果のある筋トレ

加齢によってまず衰えるのは脚の筋肉です。

腕に比べて、足は意識して使うことも少ないし、一昔前と比べても現代は長く歩くことも、立って体を動かす機会も極端に少なくなっています。

過去に運動していて長いブランクのある人であれば、脚の筋肉の弱くなるギャップが一番大きいと思います。

昔から運動をして来なかったという人でも、最近太りやすくなったと感じるなら、全身の筋肉量の半分以上を占める脚のトレーニングがおすすめです。

脚のトレーニングと言えば、キング・オブ・トレーニングと言われる『スクワット』を紹介するところですが、ここでは転倒予防ということで、おすすめの『ランジスクワット』を紹介します。

ランジスクワットはこんな動作です。

手は腰に当て、足を前に大きく一歩踏み出して、太ももが床と平行になるくらい腰を深く落としまゆす。

その状態から始めの直立姿勢に戻ります。これを左右交互に行います。

これを20回、3セット行います。

 

上体をまっすぐに保つことと、膝が90度よりも深く曲がらないようにするのがポイントです。

脚だけでなく、プランクなど体幹のトレーニングもとても重要だと感じています。

体幹と脚を連動させる力が、こうした運動によって強くなるし、それが走ることや転倒の予防にはすごく重要だと感じています。

私は週に2回、このランジスクワットやプランクを含めた全身のトレーニングをしています。

トレーニングを始めてもうじき一年が経ちますが、疲れにくくなったり、階段を上がるのがラクになったりするのを感じました。

ずっと低血圧で90台だった最高血圧も正常値になりました。

まだまだ課題も多いし、そもそも躓かないことが大事なんでしょうが、トレーニングによって頭と体を結ぶ神経の伝達が強くなると、いざ転びそうになった時にも、反射的に体を立て直す力が養われるようです。

 

最後に

ある程度の年齢になると、体の機能が衰えてくるのは自然なことなのかもしれないですが、だからといって高齢者がみんなヨボヨボなわけではありません。

高齢になるほど、体力や健康の個人差は大きいのです。

個人的な実感としては、これまで自分がやってきた色々な体操などの運動は、全身の体力を向上させるためには、圧倒的に強度が足りなかったと感じています。

過負荷をかけることで、体が危機を感じて強くなろうとしてくれます。

体に疾患などがない方であれば、ぜひ一度本当に効果の出る筋トレに取り組んでみてください。

器具も要らないし、自宅でも出来るのですが、過負荷をしっかりかけるトレーニングに取り組むには、メニューを組んでくれたりアドバイスをくれる指導者や、励まし合える仲間などの環境の力があった方が、確実な効果が得られると思います。

正しいトレーニングと、栄養と休息を正しくとれば、体は必ず応えてくれます。

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ABOUTこの記事をかいた人

中川 一成

長いこと体のケアに関わる仕事に携わってきました。心身共に虚弱コンプレックスを抱えてきた経験から体と心の健康には人一倍関心があります。 趣味は素敵なカフェを見つけること。珈琲を淹れること。