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四十肩・五十肩は、「急性期」「慢性期」「回復期」という3つの経過をたどります。
そのうちの第2期に位置する慢性期は、初期の強い痛みが軽くなってくる一方、肩関節の可動域が狭くなってくる時期です。
通常一年ほど続くと言われていますが、この慢性期の過ごし方は、五十肩の早期回復と再発防止の両面で、非常に重要です。
具体的には、体操やストレッチをすることで肩の可動域を広げるようにします。
慢性期のストレッチは、別記事で「コッドマン体操」を紹介していますが、この記事では慢性期に適したその他のストレッチを5つご紹介したいと思います。
コッドマン体操を含め、五十肩の対処方法全般についてはこちらの記事を参照してください。
五十肩慢性期のストレッチ1.腕ぶらぶらストレッチ
もっとも手軽で、負荷も軽めのストレッチです。
コッドマン体操と同様、上肢の振り子運動ですが、アイロンのような重りを使うコッドマン体操と違い、腕の自重だけで行います。
そのため、まだ軽めの体操しかできない、慢性期の初めのころにちょうどいいストレッチです。
【腕ぶらぶらストレッチ】のやり方
出典元:ドクターズダイエット
以下のようにして行います。
- 足を肩幅に開いて立つ
- 上半身を前に倒し、軽い前屈姿勢を取る
- 力を抜いた状態で、円を描くように体をゆする
- 体をゆする動作を30回くらい行う
五十肩慢性期のストレッチ2.肩甲骨ストレッチ
肩甲骨まわりをほぐし、可動域を広げるストレッチです。
動作は水泳の前にやるストレッチによく似ています。
クロールは腕を肩甲骨から大きく回すため、準備運動では肩甲骨まわりにつながる筋肉を集中的に伸ばします。
これと同じことを、少し加減して行います。
【肩甲骨ストレッチ】のやり方
出典元:和歌山の整体「廣井整体院」
- 肘を伸ばしたまま、両手を体の後ろで組む
- 痛くない程度のところまで、手を上に持ち上げる
- その状態で20秒ほどキープ
- 痛い方の腕を前方に伸ばす
- もう片方の手(腕)を使って、肘を胸の方に引き寄せる
- その状態で20秒ほどキープ
伸ばす範囲は自分のさじ加減ひとつです。
痛いくらいまでやってしまうと、患部の炎症を起こし症状を悪化させてしまうリスクがあるので注意しましょう。
五十肩慢性期のストレッチ3.棒エクササイズ
棒を使ったストレッチです。
棒は、肩幅程度の長さのあるものなら何でも大丈夫です。
もちろん鉄棒のような本格的な器具の事ではありません。
ただの棒っきれでOKです。
【棒エクササイズ】のやり方
出典元:ヨリミツ治療塾 れい岡院
やり方はいろいろあります。
上の動画はその一例なのでぜひ参考にしてみてください。
まずは棒を体の前で扱うパターン。
- 棒を横にして両手で持つ
- そのまま腕を痛くないところまで上にあげる
- 20秒キープ
- 腕を戻して、今度は左右に動かす
- 20回繰り返す
または棒を横にして後ろ手に持つパターン。
- 棒を横にして体の後ろで持つ
- 左右に動かす
- 20回繰り返す
- 後ろ手に持ったまま上にあげる(少ししか上がらなくてもOK)
- 20秒キープ
色々と組み合わせて自分の状態にちょうどいい方法を探してみてください。
強い痛みを感じるまでは動かさず、イタ気持ちいい動作を探すのがコツです。
五十肩慢性期のストレッチ4.タオル体操
今度は棒ではなく、タオルを使ったストレッチです。
ちょうどいい棒を探すよりも、タオルのほうが手軽かもしれませんね。
タオル体操の動きのバリエーションは、棒運動で行うものと同等です。
タオルでも棒でも、腕を背中の方に回して行う動きは、五十肩の改善に向けて有効です。
手を後ろに回す動作(女性が洋服の背中のファスナーを閉める時のような動作)を、専門用語で「結滞動作」と言います。
五十肩になると、この動きに特に制限が出てきます。
【タオル体操】のやり方
出典元:ぐんじ治療院
まずはタオルを体の前で扱うパターン。
- タオルを横にして両手で持つ
- そのまま腕を痛くないところまで上にあげる
- 20秒キープ
- 腕を戻して、今度は左右に動かす
- 20回繰り返す
またはタオルを横にして後ろ手に持つパターン。
- タオルを横にして体の後ろで持つ
- 左右に動かす
- 20回繰り返す
- 後ろ手に持ったまま上にあげる(少ししか上がらなくてもOK)
- 20秒キープ
前述のように、棒やタオルを横に構えたストレッチに対し、縦に構えて上に引き上げるようなストレッチもあります。
上の動画で紹介していますので、参考にしてみてください。
五十肩慢性期のストレッチ5.指階段療法
最後に、五十肩発症後に腕が上にあがらないという症状の改善に、指階段療法の紹介です。
毎日少しずつ行うことで、無理なく可動域を広げ、かつどれくらい広がったかが目に見えて分かる方法でもあります。
【指階段方法】のやり方
- 壁から半歩離れて、壁に対して横向きになる(痛む方の肩が壁側)
- 痛む方の腕の人差し指と中指を壁にあてる
- 人差し指と中指が壁を上っていくように、交互に動かす
- 痛くてこれ以上は肩が上がらない、というところまで2本指の動作を繰り返す
- 限界まで来たら指を止めて、少し壁にもたれるようにしてストレッチする
壁にしるしをつけておくと(後で消せるように鉛筆で)、どれくらいまで上がるようになったのかが一目瞭然となります。
2本指が壁を上っていく際、イタ気持ちいいところはそのまま通り過ぎて、これ以上は痛い、というところでストップしてください。
あまりに低いところで止めてしまってもストレッチの効果が低くなってしまいます。
慢性期はストレッチで可動域を広げましょう
いかがでしたか?
肩関節まわりの可動域を広げるストレッチには色々な方法があります。
ご自分に合ったもの、続けられるものをチョイスしてみてください。
- 毎日続けること
- 痛いところまでやりすぎない事
が大事です。
無理なく続けて、可動域の完全回復と、五十肩の再発防止を目標に頑張りましょう。
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